1917年(大正6年)、日本で唯一の自然科学分野の総合研究所として設立された国の研究機関、理化学研究所(略称:理研)。その「理研」の発明、研究成果を製品化する事業体約60社の企業集団(理研コンツェルン)の一社として1939年(昭和14年)に創業された、産業用ガス検知機器の最大手・理研計器株式会社が創業80年を経て初めて発行した機関誌「Rizm」の創刊号。
2019年9月に弊社宛に企画コンペ参加の打診があり、数社の競合プレゼンの結果、弊社が受注。理研計器社内各部署の担当者らから成る機関誌発行委員会のメンバー、弊社大阪・東京各オフィスの企画・制作スタッフで打合せを重ね、機関誌の方向性、編集コンセプト、特集企画、コンテンツ構成、連載記事内容、取材・撮影項目、デザイン、装丁全般に渡って弊社の提案を軸として制作・編集を進行。それから半年後の2020年3月15日、同社の81回目の設立記念日に無事、創刊・発行した。その後、同社HP上にもPDFにて全頁が掲載されている。
企画段階で編集コンセプトとして弊社より提案したのは、同社のスローガンである「見えない危険を、見える安心に。」に基づくタグライン「MISSION: INVISIBLE」。有名な人気アクション映画シリーズのタイトルとして誰もが知るフレーズの言わば「本歌取り」ではあるものの、しかし表現としてそれが示唆するものが、エネルギー産業、船舶、建設、鉄鋼、宇宙、防災など、あらゆる基幹産業と社会生活の様々な分野に関わる産業用ガス検知機器の最大手である理研計器が取り組む社会的使命を的確にまたドラマチックに伝えているとして評価され、採用が決定。巻頭の見開きにも大きくこれを掲げ、理研計器が取り組む企業ミッションとして全面ビジュアルとボディコピーにより表現した。
さらに特集記事においては、代表者インタビュー、世界最小・最軽量にして超高機能の画期的なガス検知器開発プロジェクトに関わった技術者たちへのインタビュー、技術トレンド情報、CSRリポート、海外展開の紹介、そして巻末に理研計器の80年の歴史を製品で遡る連載記事を掲載。A4/12頁構成の限られた誌面の中で、名門老舗企業の過去・現在・未来を伝える構成とした。